2.3. eポートフォリオとは
では,eポートフォリオとはなんだろうか.
一言で言えば,電子化されたポートフォリオである.
真正な評価においては,学習のプロセスを通した継続的な学習成果物や学習履歴データ等の記録(学習のエビデンス)を重視し,
これらを用いて学習者のパフォーマンスを評価する.
この際に,学習のエビデンスとなるもの,すべてが「ポートフォリオ」である.
広義の定義:「電子的な形式で扱われたすべてのポートフォリオ」
狭義の定義:「ポートフォリオを作成するためのソフトウェア,または,ポートフォリオをマネジメントするためのシステム」
森本康彦(2008)「eポートフォリオ」:電子情報通信学会「知識ベース」 © 電子情報通信学会p17 2011
eポートフォリオのメリット
- 内容の再配列や編集,統合が容易
- テキスト・データだけでなく,画像,音声,動画などのデータが扱え,HTML形式やPDF形式など、必要に応じたファイル形式への変換が容易
- 多量なデータを保存可能で,保存されたデータは劣化せず,複製も容易に行える
- 情報通信ネットワークを通してアクセスが可能<
- 学校内(機関内)だけでなく遠隔地の人々との相互作用が期待できる
特に最後の二つがeポートフォリオの最大の利点といえるだろう.
ポートフォリオを活用した学習とは
- 社会的な営みを通して,自身の活動等を振り返ることでリフレクションが誘発され,学習が生起し,やがて成長に繋がる.
メタ認知の促進がされる.
- 客観テストによる学習者の単なる知識の測定を行うというものではなく,
学習者の学習プロセスを通したパフォーマンスを評価(アセスメント)する.
学習プロセスにおいて,評価活動が学習の一部として組み込まれ一体化しており,切り離すことはできない.
評価(アセスメント)すること自体が学習・成長そのものである.